蓮(Nelumbo nucifera)を重要な食材、生薬と捉えている中国政府はこのような世相を懸念し、近年になり蓮の部位ごとの化学成分、量、活性のメカニズムなど詳細に調べることになったようです。
驚くことに蓮の成分(compounds)は生薬として解っていたものの、安全性など詳しい調査結果を発表した人がこれまでにほとんどいなかったようです。
どの種のアルカロイドがどのくらい、どこに存在するか、活性が高いのは、蓮の成長のどの段階かなどを、液体クロマトグラフィー(HPLC-MS/MS)で計測。 中国政府の意を受けて研究を担当したのは武漢市植物園(Wuhan Botanical Garden)のHAN Yuepeng 教授と、北京市科学アカデミー大学院(Graduate University of Chinese Academy of Sciences)の DENG Xianbao博士。 調査は中国国立科学基金のサポートで(the National Natural Science Foundation of China)進められ、研究報告が食品化学ジャーナル(Journal of Agricultural and Food Chemistry)に掲載されました。
主題は 「Analysis of Isoquinoline Alkaloid Composition and Wound-Induced Variation in Nelumbo」
蓮の有毒アルカロイドが多い部位蓮のアルカロイドは各部位に10種類が検出されましたが、すべてはベンジルイソキノリ(benzylisoquinoline alkaloid :BIA) グループ。
葉の膜(Lotus laminae)に含まれていたのは、主としてアポルフィン・アルカロイド(aporphine-type alkaloids) 成長初期から含有量が増え、円熟期で最大となり、老化に伴い減少することが解りました。
胚(はい:embryos)、胚子にはベンジルイソキノリン(bisbenzylisoquinoline-type alkaloids) 根茎(rhizome )のアルカロイドは極微量(trace amount)でした。 アルカロイドは基本的に植物が身を護る物質。 葉を傷つけることにより増えていきます。
初版:2016/07/15