ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第三十三話:「旧年を回顧する」
2014/12/26
最終更新:2026-09-08
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あっと言う間の衆院解散・総選挙が終わって、どうやらアベノミクスが信任され、 安倍政権にとって4年ないしは5~6年の延命が担保された模様です。 野党や多くのマスコミが大義なき解散と騒ぎましたが、実は去る4月の消費税8%の負の衝撃は深刻であり、経済の改善基調がすっかり暗転してしまっていたことと、実質収入の悪化と消費の委縮は危険信号を示していたのです。 にも拘らず、財務省や与野党増税派議員は、野放図な御用学者らの無責任論にも踊らされ、1年後の10%所費税を既定路線としていたからこそ、大義なき解散などと言う危機意識ゼロの発言に繋がったといえるでしょう。 10月末の異次元緩和の追加策とて、実体経済押し上げ効果はなく、「増税の悪影響を相殺できる」との日銀総裁の楽観的進言も、増税起因のアベノミクスとん挫を防ぎ得なかった分けで、首相が増税の更なる延期を世に問う決断は、まさに当を得たものだったと言えるのです。 小筆の情報源にアベノミクスに代替する脱デフレ施策は皆無であり、総選挙で信を問うことはある意味で必然だったと考えます。 今般特筆すべきだったのは、隠然たる財務省を正面に据えて刃向った初の内閣であったことではないでしょうか。現実問題として、8%増税は結果的に15兆円もの税収減を招いたという冷酷な数字を現実に見た以上、安倍内閣に反論できる財務官僚も税調議員もいなかったことにつきます。 米国ライシャワー研のケントカルダー所長は、安倍首相の解散を「勇気ある行動」と讃え、3年に亘る目標と工程を明確化したアベノミクスの再構築と実体経済の中長期成長戦略を即時発表し、強力な実行を加速すべきであるとアドバイスして呉れております。 投票率の低下を一方的に断じ、さもその大半が無党派層の投票放棄であった筈との論調が多いようですが、今般の場合、共産党を除き、具体的施策を明確化できなかった野党の乱立は“政治ごっこ”としか見受けられず、むしろ「声なき声」の多くは、自民優勢報道による同党の気の緩みなり、自民支持者が態々投票所へ出向かずとも勝てるのではないかと怠惰を決め込んだ結果、一部で“揺り戻し”を生じてしまったのではないかとも思われます。 それと、マスコミの反アベノミクス論議の基調は「格差拡大」に集約されていますが、現実の経済とはそれ程、単純明快なものでもなく、必ず競争の優劣や改善に時間差が生じるものであり、時間と空間のスパンで現実的な事象を捉えて分析してみることが誤解や曲解を防ぐ近道なのです。市場の有意差、社会現象、国際モード、そして何よりも重要なのは、センチメント(消費者や金融業者、経営者、労働者などの、その時、あるいは先行きへ向けた”気持ち“)次第で、数字は大きく振れるものであるという古来の鉄則を忘れてはいけません。 景気の”気“の字一つで、好不況は反転するものなんです。 与党が三分の二を確保したことで、憲法改正の前進が期待されそうです。 第一次安倍内閣が国民投票法を成立させ、第二次内閣で、投票年齢を18歳以上へ引き下げる改正まで進んだので、第三次内閣では、改正へ向けた具体的行動指針が問われております。そのためには、先ずは経済活性化が必須条件であり、併せて国民運動へ向けた盛り上がりが望まれます。 戦後GHQ体制が生んだ東京裁判史観と自虐主義を今後いかようにして、国民の呪縛から解放させてゆくのか、が大変重要となってきましょう。 60年間の垢にまみれた憲法を白日の下に開陳して、その是々非々を国民各層で論じ合うことが求められてくるでしょう。幸いにして、これまでの安倍外交は「地球儀を俯瞰する積極的平和外交」と題して、すでに50か国を訪問、コミュニケをかわしてきたことからも、大成果を収めつつあります。 この際、さらなる遠交を進め、中韓露朝を平和外交の表舞台へと引っ張りだすべく、一層の努力が問われていると思います。 師走の街のあちこちに青色発光ダイオードが活躍する項となりましたが、今年はまた格別で、ノーベル賞騒ぎが続いております。 ところで職人伝統国家・科学技術最先端国家日本人科学者の暦年受賞者が世界第二位の19名にも及ぶのは、きわめて誇りうる現実です。 因みにアメリカ人科学者が百数十余名も受賞しているのは事実ですが、このうち大半が移民1世か2世だそうで、米国建国時に在籍していたアメリカ人先祖につながる”純正?アメリカ人“だけを取り出そうとすると、20名にも満たないのではないかと言われており、ある意味では日本人は世界一の科学技術者が多い国だと言えそうです。 しかも、日本人受賞は、戦後以降のことで、第一号の湯川秀樹の場合、原爆被爆国へのアメリカ有識者の特別な後押しもあったように聞き及んでいます。 因みにノーベル賞は20世紀初頭の欧州発”白人至上主義“時代の産物であり、「ジフテリア血清療法」で第一回の医学賞を受賞したドイツのベーリング氏は、研究チームを主導していた北里柴三郎の共同研究者だったそうです。 時の独皇帝ヴィルへルム2世が北里の受賞を頑なに拒んだそうです。 他にも、黄熱病原体を発見した野口英世、天文学でZ項を発見した木村栄、ビタミンを発見した鈴木梅太郎など、世界的偉業を打ち立て、十分ノーベル賞に値した数々の科学者が綺羅星のごとく世界的評価を受けていましたが、いずれも戦前の人種差別の壁に阻まれてきたのでした。 原油下落が止まらず長引きそうです。 サウジアラビアとアメリカが暴落を放置しているのには、それぞれ同床異夢の思いがあり、イランとロシアの原油価格暴落が経済的締め付け効果を上げているようです。 他にも、テロ国家・ISISイスラム国の資金源を断ち、乱開発が続くシェールオイルの競争力・投資余力を見極めるなど、副次的な狙いもありそうです。 OPECの異端児であり、アメリカの庭先で暗躍する反米国家ベネズエラの追い落としにも効果抜群で、ベネズエラの支援切れからキューバの経済危機が取りざたされており、ここへ来て降って湧いたような米国との正常化交渉の伏線になったようです。それにしても、「パイラシー」(海賊行為)なる外交用語を知らず、「プライバシー」と読み間違えて外交上、大恥を掻いた程、外交音痴のオバマ大統領に共和党の壁を破り、レガシー(業績成果)を築くことができるのかが注目されます。 願わくは、ブッシュ前大統領が任期切れ間際に北朝鮮の「テロ支援国家指定」を解除したような大きな間違いを犯してほしくないと念ずる次第です。 中国経済の成長鈍化は、財政出動による厚化粧が剥げ落ちて成熟を通過して一気に老化が進んでおりハードランディングリスクが高まっているようです。 あらゆる分野における余剰資金の逃げ道として、米国主導のIMFや日本主導のアジア開銀に対抗意識丸出しの「アジアインフラ投資銀行」を発案提唱するなど、脇目も気にせぬ強引さにかなりの焦りを感じます。 台湾の統一地方選で、親中派国民党が大敗北を喫した際、中国が沈黙に近い反応だったことは、その衝撃の大きさを物語っていると考えられます。 このまま行くと二年後の総統選で民進党が政権を握ることが想定され、これまで「台湾を服従させる」という強硬路線を進めてきた北京の挫折を意味します。 オバマ外交にとっても、ケリーやライスらの対中弱腰外交、「対中柔軟路線」がままならず、マケインら共和党外交有力者による「対中牽制路線」に転じざるを得ない情勢下、習政権にとっても更なる手枷足枷になることが予測され、ある意味で、やっと我が国にも追い風が吹いてきた気がします。 |
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