危険ハーブ、覚醒剤、麻薬

キラー・ドラッグの2C-B NBOMeとは

2018/01/27
最終更新:2026-09-14

覚醒剤で極度に錯乱した若者による重大な交通事故や殺人、傷害事件が多発するようになりましたが、その背景はドラッグ取引価格の急騰により、粗悪で毒性の強い格安代替品の蔓延。
各国が年々覚醒剤の取締りを一段と強化し、これまでの覚醒剤供給量が細っているからです。


1.エヌ・ボーム(NBOMe)とはエヌ・ボーム(NBOMe)は本来メトキシベンジル(N-methoxybenzyl.)を指しますが、一般的にNBOMeと呼ぶときは様々なタイプのNBOMe入り覚醒剤を指すようです。
その中で最も一般的なのがシュルガン博士(Dr Alexander Shulgin.)が発見したフェネチルアミン2C系幻覚剤(2c family of phenethylamine psychedelics).
このファミリーの一つ2C-Bはエクスタシー(MDMA)の代替品として1990年代に一般的になったものです。
この派生品には25B-NBOMe.、25I-NBOMe 、25C-NBOMeなどがあります。
NBOMe自体は禁止されていない国が多いようですがネットなどで公然と売られているデザイナース・ドラッグには禁止されている2C系と構造的に類似しているものが少なくありません。
MDMA(エクスタシー)の重篤な健康被害:米国を蝕む覚醒剤MDMAの恐怖
 2.2C系(2C family)の化学合成NBOMe を含有する2C系(2C family)が米国ペルデュー大学(Purdue University)のデービッド・ニコルス(David Nichols)らによって合成されたのは21世紀初め。
ごく最近のことです。
以後いくつかのNBOMe入りドラッグがデザインされ合成されました。
当初目的はセロトニン作動系の働きをより効果的にする新しい精神病治療の医薬品開発。
2010年にはネットを利用して一般人からNBOMeの作用に関する経験の事例証拠を集めました。(治験に近いものです)
経験者の情報を集約するとMDMAよりLSD に近い作用があるようです。
作用の強い薬物であり、例をあげればNBOMes 0.05㎎はMDMA125㎎に匹敵しました。
これがNBOMesを過剰摂取して危険にさらされる原因でしょう。3.重篤な副作用を持つNBOMeNBOMeはごく微量(1回の摂取量50-250ug)で効果があります。
製造コストが安く(主として中国といわれます)、販売価格は1㎎で25セントから5ドルくらい(米国のケース)。
非常に安いために業者が、より高額なLSDと偽ってNBOMe混入ドラッグを販売していることがほとんど。
LSDは天然由来の成分を合成したものであり、デザインされたNBOMeに較べて毒性が薄く、デザイナース・ドラッグより安全性が高いと考えられています。。

LSDと信じて多量のNBOMeを吸入、または注射、服用をしてしまい、その毒性により救急車で運び込まれる急性中毒患者を分析すると心筋トラブル(cardiovascular complications)、低体温症(ハイポサーミア:hypothermia),酸の排出困難がおきるメタボリック・アシド―シス(metabolic acidosis)
などが目立ちますが、脳卒中や交通事故、飛び降りなどで死に至るケースも多々あります。
(異成分の混入は市販されている簡易試験キットで発見できるようです)4.オーストラリア発で世界の話題となったNBOMe2012年までにアメリカをはじめ世界ではNBOMeによる多数の死者が報告されています。
人口が少なく、ドラッグ事故の少なかったオーストラリアでも3人のティーンエージャーが死亡したことが大きな話題となりました。
呼吸困難、心臓の異変、幻覚による高所からの飛び降りなど、症状は様々。
解剖結果によればLSD様の物質も発見されており、LSDとNBOMeが混合されていた疑いがあります。
これらは「合成ドラッグ:synthetic drug 」としてネットで販売されていたもの。
幻覚で空を飛べると信じてアパートの3階より飛び降りた17歳の若者(ヘンリー・クヮン:Henry Kwan)の悲劇で政府が動き始めましたNBOMes を過剰摂取して死亡した若者はネットなどでただ「合成ドラッグ(synthetic drug )」と表示されているものを購入しています。
LSD、メタアンフェタミン(methamphetamine) 、 MDMAはいずれも合成ドラッグですが作用量はおのおの異なります。
このあたりに事故が多発する原因があったわけです。
ヘンリー・クヮン事件を契機にオーストラリア連邦政府、州政府は消費者関連法によって類似合成ドラッグのすべての使用、販売を禁止しましたがこのころから、これが日本を含む世界のトレンドとなりました。
ただしNBOMeはすでにネットによる裏の販売ルートが確立されていたために法の適用が困難になっています。5.モーリー(molly)と俗称される合成カチノン(Cathinone) 取締りの強化によって安いはずのMDMAが急騰したために出回っている代替品には2C-Bエヌボーム系(NBOMe)以外に合成カチノン(Cathinone)があります。
これはモーリー(molly)と俗称されるもので、由来はアラビアチャノキ(Khat:Catha edulis)。
お茶とは異なりニシキギ科に属します。

Khatはコットと発音されることが多いようですがチャット、カットなど多様な呼び名があるようです。
カチノン(Cathinone)はアンフェタミンに似た幻覚作用を持つアルカロイドですが、天然の葉に含有する量はそれほど作用が強いものではなく合法ハーブとしてエチオピア、イエメン、ソマリアなどでは天然の生葉を噛みタバコのように使用しています。
ただし合成カチノンが主となる英米独など先進国では天然、合成ともに覚醒剤として違法ハーブに指定しています。

初版:2014/12/12