癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

脳神経変性疾患タンパクNrf2を活性化する旧仏領インドシナの花食文化(2)
脳神経変性疾患の制御はNrf2を活性化

2025/03/15
最終更新:2026-09-09


花食文化の主役ブロッコリー
ニャチャン:ベトナム

Nrf2 activity is likely helping brain neurons cope with the stress of the disease
a master regulatory protein for *detoxification responses
An increased number of *senescent cells is one hallmark of human *neurodegenerative disorders, including Alzheimer’s disease. Since these diseases are more common with advanced age, it is logical to hypothesize that senescent cells play a role in their development. 
(the Linus Pauling Institute)
detoxification responses:解毒 senescent cells :老化細胞 neurodegenerative disorders:神経変性疾患1. 認知症発症を制御する転写因子(Nrf2)(ナーフツー)の発見 認知症など神経変性疾患(neurodegenerative disorders)の発症詳細はいまだ明解ではありませんが、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の山本雅之教授らはかねてより加齢で増加する老化細胞が認知症の主役であり、これを制御できれば健康長寿を達成できると考え、研究を続けています。
老化細胞は自然死(アポトーシス)するものと過去には考えられていましたが、ノーベル賞受賞者*大隈良典博士により、必ずしも全てが自然死するわけでなくミトコンドリアの活性化で再生もする」ということが判明し、レスベ(天然赤ブドウ由来のレスベラトロール)にさらに光が当たった経緯があります。
Nrf2の研究が進めばサプリメントと赤ワイン、アブラナ科花野菜(+魚油)の食生活が、脳神経変性疾患ばかりか、がん(癌)や心筋梗塞など心臓血管の予防、治療にも新たな世界が開かれるでしょう。
*2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典博士の功績はオートファジーと名付けられていた細胞内器官の働きを顕微鏡で捉えることに成功(機能の可視化).オートファジーをコントロールする遺伝子を発見したことにより、機能研究が急速に進歩を遂げました.

「老化と生活習慣病は細胞内異変の自動修復作用不全」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=518

山本雅之教授らは2018年ごろには認知症発症を制御するだろう抗酸化遺伝子(転写因子)*NF-E2-related factor 2(Nrf2)(ナーフツー)を見出していたようです。
研究は20年来アブラナ科野菜(Cruciferous Vegetables)の医療効果に関して疫学研究を続け、主成分のグルコシノレート(GSL)に関して膨大な研究報告をし、世界的な評価を受けている* ライナス・ポーリング研究所とオレゴン大学に支持(?)されており、ノギボタニカルも今後の進展に大きな期待をしています。
*ライナス(リーナス)・ポーリング(the Linus Pauling Institute)
「リーナス・ポーリング研究所が食生活で差が出る認知力低減と脳萎縮の疫学調査」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=298

途中経過ではありますが、(Nrf2)(ナーフツー)の研究はベトナムなど旧インドシナ各国が*ブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜を常食し、鉄人的な体躯を作り上げている疫学的成果を裏付けるものとノギボタニカルは考えており、日本人も当面はベトナム人の食生活を踏襲したらと考えています。

ブロッコリーの機能性成分グルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)
ただし、ブロッコリーや菜の花などの機能性成分(phytochemical)である*グルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)は単離しては安全性、有用性を確保できない難しい物質です。*glucosinolates(GSL)
また植物性食材の有用機能成分は単離して機能するものではなく、植物全体の成分が互助して機能するものですから、医薬品のような単離物質の化学合成は意味がありません。。
すでにサプリメントがありますが、プラセボ効果を狙ったものであり、「効果は不明、実食材を食べてほしい」との「但し書き」があります。

有効成分はおそらく短時間で消滅するでしょうから、加工はジュースまで、それも作りたて以外は十分な有用成分が確保できないでしょう。
ブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜を食生活で常食することを最もお薦めします。
また「ブロッコリー・スプラウトは成分分量が7倍」と分析方法も明かさずに宣伝していますが、ブロッコリー成分と同分量を得るには、はるかに大きな出費となり、無意味です。

*グルコシノレート(スルフォラファン‐グルコシノレートは変異後名)は様々な野菜や果実に含有されていますが、特にブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜に含有量が多いことで知られています。ぜひ、毎日の食生活に採り入れてください。

*ダイコン、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、ワサビ、ロケット・サラダなど十字花(アブラナ)科野菜に属する植物の根、茎、葉、花蕾、種子にはグルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)化合物が含まれている。

2. 山本雅之教授らによる転写因子ナーフツー(Nrf2)(抜粋)*ナーフツー(Nrf2)は酸化ストレスなどの発生に伴い、ストレスに応答して活性化される転写因子ですが、抗酸化酵素や解毒代謝酵素の遺伝子発現を増加させたり炎症を引き起こすサイトカインの遺伝子発現を低下させる働きをしています。
ほとんどの神経変性疾患は,酸化ストレスが関連しており、Nrf2は、抗酸化応答エレメント(ARE:Antioxidant Response Element)に結合することにより,抗酸化遺伝子の発現を誘導します。Nrf2の活性化は,神経変性の治療に潜在的な役割を果たします。
(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)3. 野菜摂食量が大違いの旧インドシナの鉄人と日本人日本には完璧な保険制度と医療の仕組みができ上がっており、「健康問題は人任せ」なのが社会の流れ。
健康寿命は短くとも、見かけの長寿を達成していますから、国民の保健知識も低レベルであり「完成している医療組織を乱す」ことになる予防医学には国も熱が入りません。
恒例の国のキャンペーン「野菜をもっと食べましょう」も知らぬ人が多いでしょう。
世界的に認知症発症者がとびぬけて多い日本を救うのは「野菜と果実を大量に食する食生活」です。4. 日本国政府がポリフェノールなど機能性成分に言及しないわけ日本国のキャンペーンで障害となるのは国やマスコミが生産地、生産者が異なる野菜や果実の特有栄養素の差異を語ることは、立場上ほとんど出来ないことです。
また個々の生産者は別種の食材と機能性成分含有量を比較することがあっても他の生産者の同種食材を具体的な数字では比較しません、というより道義上、出来ないでしょう。
食生活で食材の消化吸収に重要な役割を果たす機能性成分(phytochemical)のポリフェノール量は個体差が大きいために、科学技術庁が昭和25年から出版している「標準成分分析表」には掲載されていません。
管理栄養士が蛋白質、脂肪分、炭水化物などエネルギー産生要素でカロリー計算し、ビタミン、ミネラルなど補酵素に配慮しても、最重要物質ともいえる機能性成分(phytochemical)のポリフェノールに言及しない(出来ない)一因となっています。
「ポリフェノールとは」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=1625. 個人差が大きい野菜、果実栄養成分の消化吸収率タンパク質の消化、吸収には野菜、果実が大量に必要なことを理解している方々は非常にマイナー。
「良質な肉、魚とサラダを毎日食べています」と安心してはいませんか。
常識的には安心できる食生活であっても、その効果は大きく異なります。
原因にはバラエティーがありますが、大きい差異は同じ食材でも食用部分が人それぞれであり、かつ摂食量や調理法が異なるからです。
生活習慣病や食材の過剰、過少摂取、バラエティー不足、過剰医薬品摂取で消化、吸収が妨げられるケースも少なくありません。

最近になり分かってきたのは、消化吸収が妨げられるのは機能性成分(phytochemical)の未熟な摂取法ばかりでなく、「栄養成分の吸収には腸の微生物バランスが関与する」ことです。
適切、優良な食材であっても食事メニューが体内に吸収されなければ食生活で「血となり肉となる」「万病を排斥する抵抗力増強」などを得ることが難しくなります
 
市場片隅のごく小さなスペースで花野菜世界チャンピオンブロッコリーやコールラビを売る生産者.(ニャチャン:ベトナム)


上は欧米で人気のあるコールラビ(Kohlrabi:Brassica oleracea var. gongylodes)ブロッコリーの兄弟です.6. 認知症が世界一多い日本で、特に広めたい花食


 
日本にはシトルリン豊富な冬瓜(とうがん)のシーズンが到来しています。
ホタテ(缶詰で十分)のスープに旬の小菊の花をマッチさせれば美味しいスープが楽しめます。

日本は世界的にも豊富な種類の野菜が安価で売られていますが、食用花はすみれ類、菊類を料理の飾りにする程度。
花食は「ブロッコリー蕾み」「小菊」が主役ですが、小菊は料飲店の装飾需要が多く、量を摂食しなければ健康増進に寄与しません。
花を相当量食することは最も多くの機能性成分(phytochemical)を摂取できる格別な健康食なのです
まだまだ消費を伸ばす余地は十分あります。ご紹介を続けている花食先進国の旧インドシナ3国を参考にして日本でもさらに広めたいものです。
https://www.nogibotanical.com/archives/962

青森のアカシア、茨城のキンセンカなど紹介したいローカルな花野菜はいろいろありますが、首都圏では食用ハーブの花野菜が売られるようになりました。(写真下右:ルッコラの花野菜)

 

写真上の菊(通称:モッテノホカ、小菊)は古くから山形県で広く栽培されています(交雑種のために学名はChrysanthemum ×morifoliumと表示されることもありますが定かではありません)
山形では大豆と合わせた薄い酸味の「お浸し」が多いようですが、スープにもマッチして良い香りを放ちます。

小菊の旬は秋から冬のはじめにかけてですが、現在は品種改良が進み、さまざまな品種があるため5月から翌年1月まで収穫しています。
山形県と並び、伝統がある新潟県、静岡県浜松市で栽培されている小菊は首都圏。
奈良県平群町産は近畿圏、西日本一帯で広く売られていますから、都市部での入手はそれ程困難ではないと思います。
古い伝統を持つ山形県の「もってのほか」は、10月下旬から11月上旬ごろが収穫時期となります。
黄色い小菊が出回る9月9日は男の子の無事成長を祈願する「菊の節句」と呼称される「重陽(ちょうよう)の節句」。黄色の小菊で祝う日です。

晩春にアブラナ類などの葉野菜に花が咲くと葉や茎などが固くなると敬遠する方もいらっしゃいますが、それはチャンスなのです。
オクラのように食用花栽培に特化した栽培をする農家もあります。
また諸外国のように南瓜(かぼちゃ)の雄花だけを食するという選択肢もあります。7. 高齢者、子供にも優しい寄せ鍋は機能性成分(phytochemical)ロスが最小ポリフェノール類が豊富な花野菜の調理法は高齢者、子供にも優しい寄せ鍋がベスト。
食材の栄養分が失われません。
 
花菜の調理法はベトナムのカインチュアがお薦め、写真の花はスカッシュ
 
オクラの花を主菜として中国伝来の「火鍋子:ホーコーズ)で食べるホーチミンのカジュアル食堂。

8. 旧仏領インドシナ各国の花食文化を支える素材植物の機能性成分(phytochemical)が最も多い花と蕾
植物の花、蕾、果実は不思議な健康力を発信します。
その成長歴の全てが凝縮されているからなのでしょう。
タンパク質の消化吸収に主役を果たし、かつ、ストレスに襲われる脳視神経を救済します。
アブラナ属のブロッコリー(Broccoli:Brassica oleracea var Italica)はつぼみの塊です

初版:2023/10/12