ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第六話:忘年余禄:日本人が特筆すべき2013年のニュース

2013/12/20
最終更新:2026-09-08
忘年余禄 歳末に際し日本人として、嬉しく且つ誇り得るニュースを取り上げてみましょう。
まず、一番のヒットは経済・景気面で、アベノミクスが効果を発揮し始め、国民を明るいムードに染め、気配力を高めることで、我が国全般の活性化が具現化して来たことです。
長年のデフレが終息し始め、消費が増え、円安、株高、物価高を伴って企業の売り上げと利益に改善が見られたことでしょうか。
特に、お隣の中国と韓国が停滞、乃至は下向きの経済指標を見せ始めたのとは対照的に、我が国のそれが上向き指向を示し始めたことが特筆されます。
併せて、ASEAN諸国が、外交・経済面で、官民ともに親日度を強め、中韓包囲網を形成する事態の進捗は我が国とっても心強いものがあります。
あとは、来年以降に景況の更なる高揚効果が期待できる第二弾・財政出動と、第三弾・成長戦略次第と言えそうです。
 二番目のヒットは、7年後の東京オリンピック開催決定でしょうか。
マスコミ報道では、若手スポーツ選手やタレントによるプレゼンテーション企画の成果を大々的に取り上げていましたが、それも成功要因の一端ではあったでしょうが、あくまでも日本経済の回復傾向とインフラ整備力、治安のよさ、運営力などと言った基本的な国家力、特に民力の強みが評価されたことは、忘れてはなりません。
中でも、国際イベント開催の要諦としては、他国からの好感度が最重要であるわけで、その意味でも、日本人の民族特性やCool Japan に代表される日本の総合的な魅力が、トルコやスペインに勝っていたことが決め手になったのが真相だったと思います。
日本国・日本人の実力が評価されたのだと自覚し、誇りとすべきではないでしょうか。
 次に社会文化面での明るいニュースに移ります。世界遺産に富士山が登録されました。
しかも自然遺産としてではなく、文化遺産として“Sacred Place & Source Of Artistic Inspire(信仰の対象と芸術の源泉)“と認められたことにこそ意義があります。
しかも中国・韓国や大半の他国の文化伝統遺産が、 ほとんどが限られた過去の一時期を切り取った歴史的遺産であるのに対して、富士霊峰の伝統文化は、千数百年間、現在に至るも尚継続していると言う所に大きな価値があると思います。
長く遥拝の対象として神聖化され、平安初期既に日本誕生神話・コノハナノサクヤヒメを主祭神と仰ぐ浅間神社があったことに端を発し、中世、近世にかけて全国的にそのネットワークを広げ、加えて、三保の松原周辺の文化財、特別名跡を多々誕生させてきました。
その雄大な孤立峰として山体の美しさ、眺観風景、四季を通じた多彩な変幻ぶりは、数々の芸術作品の効果的題材となり、古代からの和歌・文学、中世の墨画、絵巻、近世の浮世絵、日本画・洋画や現代の写真まで数多の芸術作品を生み続けております。
もちろん自然の豊かさは、多彩な動植物を育み、特に豊富良質な地下水や温泉などだけでも、立派な自然遺産としての価値もありそうです。
 もう一つは、和食がユネスコの無形文化遺産として「日本人の伝統的な食文化が社会の連帯に大いなる役割を果たしている」と評価されての登録決定趣旨は、当に「おもてなし」文化の世界的評価と捉えておくべきでしょう。
即ち和食とは、ただ単に多彩な食材・料理手法と舌や胃袋を喜ばせる美味と言った一般的評価だけではなく、欧米、アジア、中南米、中東アフリカには見られない独自の魅力として、四季に応じた豊富な食材と調理技術に応じて、色・形状・大きさを切り替える食器デザインの多彩さ(特に三角形や多角形の陶磁器や竹細工、木材、紙、木の葉、竹の皮など)と盛り付け術、そしてこれも日本発“五番目の味覚”うまみの源・出汁や健康食に加えて、年中行事や冠婚葬祭に合わせた料理とカウンターを挟んで料理人が客と対話する習わしなどを称して「心まで豊かにしてくれる食文化」と内外から絶賛される点が特筆されます。
 目下TPPの折衝中でもあり、和食も絡めた農業・食材ビジネス拡大チャンスが来たことにも、最大の注目をすべきだと考えます。
イタリアの食材輸出が4兆円もあるのに、日本は10分の1の、4千億円しかないそうですから、まずは農業戦略の抜本的改革が問われています。しかも世界の食の総市場は、2020年に680兆円にも膨れ上がると予測されております。
7年後と言えば、既述のごとく、東京オリンピック開催年であり、これを控えての全産業的経済成長戦略が当然企画実行されるなかでも、“日本の食”関連産業は、更なる注視を浴びることになるでしょう。
農漁業の延長線上に、食材、食品加工、飲食産業、観光、イベント、食育文化交流など、多彩な国際連携をベースに、多角的ビジネス展開が進められるべきだと思量します。
 政治・外交面で評価すべきなのは、「国家安全保障会議(日本版NSC)」設置法」成立と、そのセットになる「特定秘密保護法」の成立でしょう。
戦後日本は、GHQ指令により、真の国防体制を完膚なきまでに放棄させられました。
その結果、政治外交面で国際法上、数々の不利、無力化を余儀なくされてきました。
例えばスパイ防止法を欠くため、度重なる北朝鮮工作員の日本人拉致犯を逮捕出来なかったし、度重なる尖閣事件などでも、本末転倒して国益を損ねるような誤った政治的判断を繰り返してきたことは、御存じの通りです。今般、外交安保の司令塔を設置することで機密情報を一元化し、国益的情報力を強化して、やっと先進諸国の仲間入りが出来たことは、特筆すべきです。
特に秘密保護法は、軍事、外交、テロ、スパイ関連の知的情報など、国境を越える領域での機密保護と言う国際的価値に関わる複数の価値間のバランスを図りつつ、最善・最適解を求めることを可能にした訳です。情報力と言えば、「知る、知らせる、知らせない、取る、与える、漏らさない」など奥が深いだけに、双方向のインテリジェンスパワーを持つことは国際戦略上、必要不可欠で最重要な案件と考える次第です。
 冷戦時代は、日米安保が米国の並外れたパワーの下、我が国を取り巻く安全保障環境保持の為の抑止力としても最大限発揮されてきましたが、ここへ来て、米国の脆弱化を待っていたかのような中露パワーの強化や北朝鮮と韓国の夜郎自大ぶりが目立ってきて、日本の国防や領土・領海・領空が大いなる危険に晒されようとして居ります。
それは、経済競争にとっても、全く同じような危険領域に入っていることを痛感いたします。
流行り言葉じゃないですが、「やられたら“倍返しする”」体制を整えるには“今しかない”状況に追い込まれている訳で、この時期の既述2法案成立は、辛うじて間に合ったと言えましょう。
 これまで、近隣諸国や欧米から狙われた日本の政官民各種重要情報を、あまりにも安易に垂れ流したことで、脇の甘さを咎められ、逆に諸外国でカーテンや扉の陰に秘匿された貴重な情報が殆ど取れなくなっていたことを謙虚に反省し、向後殊に情報源となっている官民の組織や個人を完璧に守り通し、情報の受け皿としての窓口での機密漏洩を徹底封鎖することで、インテリジェンスの出し入れを真っ当に深化しなければなりません。
この点に関して、一部マスコミや、左派系の文化芸能人およびノーベル賞受賞学者などの一方的で無意義な法案反対論、それに踊らされたデモ隊参加者などには、法と秩序や情報管理の国際的比較をもっと学習して、冷静な議論に回帰して頂きたいと付言しておきます。
この際、政府には、国家安全保障戦略(NSS)と新たな防衛大綱を早急に確立して、国民、国家を守る責務を全うして欲しいものです。即ち、一刻も早くまともな国の仲間入りをし、情報の収集・秘匿・公開におけるきちんとした体制整備を実行して貰いたい次第です。
併せてビジネス界も、日本経済の再飛躍に備えて、インテリジェンス情報の重要性を十二分に認識頂き、兜の緒を締め直して出直してもらいたいものです。